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Namiki誕生の歴史

蒔絵万年筆が生まれたのは「世界への挑戦」がきっかけでした。
1925年の誕生以来、日本の伝統文化を伝える蒔絵万年筆の最高峰として、
世界から称賛を得て現在に至るまでの軌跡を辿ります。

 

1924

日本の天然素材「漆」に着目

遡ること今からおよそ90年。当時は万年筆の軸に、硫黄とゴムを化合した「エボナイト」という素材を使うのが一般的でした。しかし、エボナイトはインキへの耐性があるいっぽうで、時間とともに変色・艶落ちするという欠点もありました。そこで並木製作所(現パイロットコーポレーション)では、専門の開発チームを結成しその対策へと乗り出したのです。

彼らが目を付けたのは、“漆”。日本が世界に誇る優れた塗料である漆を用いて、劣化に強く艶やかな軸を作る「ラッカナイト」という手法を編み出したのです。当初の目的はこれで達成、さらに「漆を使うのであれば、漆工芸のひとつである蒔絵を万年筆に描いてみてはどうだろう」という声が上がってきました。
そのころの欧米諸国の高級万年筆といえば、金属軸に精巧な彫金技術とデザインで装飾を施したものが主流。強さと美しさを兼ね備え、日本特有の文化でもある蒔絵を描いた万年筆なら、世界と互角に勝負できるのではないか、と考えたのです。

1925

蒔絵万年筆の誕生

蒔絵は、緻密な作業を幾度となく繰り返して描かれる伝統工芸。当然ながら一朝一夕で真似できるものではありません。そこで、漆工芸界の草分けである六角紫水氏の紹介のもと、弟子でありのちに人間国宝となる蒔絵師・松田権六氏を招聘し、両名より技術指導を受け蒔絵万年筆を完成させたのです。

1925〜

創業者、販路開拓の船旅へ

創業者である並木良輔と和田正雄の二人は、できたばかりの蒔絵万年筆を数ダース携え、欧米諸国へ販路開拓の旅に出発しました。同年の1925年にはロンドンの大手商社からすぐに注文が入り、1926年、ロンドン・ビショップスゲート通りに「パイロット事務所」を開設します。 1930年にはアルフレッド・ダンヒル社と契約を締結。「ダンヒル・ナミキ万年筆」として、ロンドン、パリ、ニューヨークといった大都市で大々的に売り出され、並木製作所が世界へと羽ばたく足がかりを作ったのです。

1931

蒔絵の創作集団「國光會(こっこうかい)」結成

松田権六氏を中心として、蒔絵万年筆の研究・発展・品質向上のために、創作集団「國光會」を結成。「國光會」という名称は、創業者並木良輔により、「相撲が日本の国技であるが如く、蒔絵は御国の光であるという意味」で名付けられました。

以下の文章は昭和6年8月に「國光會」発足にあたり、創業者の一人である並木良輔が國光會會員に宛てた宣言文です。明朗快活な文章の中に「國光會」命名の由来、會員への激励などの言葉に品質にかける「情熱と誇り」、そして、当時としては非常に珍しい「海外市場への販売戦略」を他社に先駆けて持っていた事が伺えます。

國光會蒔繪關係諸君へ

昭和6年8月
並木生

日本の誇りとしつゝ國光を海外に輝かし得るものは大和魂とマキヱ位のものであらう。
大和魂の方はあまりにも世界的に有名になつたが、マキヱの方はこれからであらう。

今度、マキエ関係の諸君が一致團結して、マキヱ芸術の海外發展に資し度いといふ考で、
ある會を目論まれてゐるといふことは、大層結構な事である。

やるなら本氣でやらなくちゃア駄目だ!・・・・・・
しみつたれた量見でやるなら、やらぬが𡑭しだ。
やるなら各人がこれ迄の様なケチな量見でするなら、
眞に國家を代表する藝術家として、國光を海外に宜揚するのは大決心でやらねばならぬ、
會の名もケチ臭い名前は感心しまい。

いろいろ考へて見た結果「國光會」といふ名前にしてはどうかと思ふ。
それはいふ迄もなく相撲が日本の國技であるが如く、マキヱハ御國の光であるといふ意味である。

考えて見ると、この名前は非常に大きい、立派すぎる位の名前である。
一小部分の集團につける名前にしては、名が勝過ぎる様に思ってゐたが、
大なる抱負で、わが國の光りを海外に、輝かさんと志す眞劍な大團結に向つては、
この位の大きさが必要であらう。

唯だ。
諸君が、いつもこの名を念頭に刻んで、充分な誇りをもつて、この名を辱めないやうに
心懸けられん事を望んで、やまぬのである。

至嘱

 過去から現在へ。受け継がれていく匠の技

Namikiの蒔絵万年筆。それは先人たちの技と精神を継承した究極の美であり、PILOTのルーツでもあります。長い年月を経た現在でも、日本の伝統文化を伝える蒔絵万年筆の最高峰として、世界各国で高い評価を得ています。

受賞歴

アメリカ 『PEN WORLD』

2012 PEN WORLD Reader’s Choice Award Nominations Best Maki-e

2011 雪月花 (PEN WORLD Reader’s Choice Award Nominations Best Maki-e)
2012 金地の薔薇 (PEN WORLD Reader’s Choice Award Nominations Best Maki-e)
束ねのし (PEN WORLD Reader’s Choice Award Nominations Best Maki-e)
2013 流鏑馬 (PEN WORLD Reader’s Choice Award Nominations Best Maki-e)
麒麟(PEN WORLD Reader’s Choice Award Nominations Best Maki-e)

フランス 『Stylographe』

2012 Trophee de l'excellence

2014 Le Grand Trophée du Stylographe

2012 桃と鸚鵡 (Trophée de l'excellence)
2014 沈金4種(松・鶴・桜・ススキ) (Le Grand Trophée du Stylographe)

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